いろいろあります。 住まいを守る「屋根」の素材と特徴

屋根は、熱い日差しや冷たい雨風から私たちの住まいを守ってくれる大切な存在です。
もしもあなたが新築やリフォームを考えているのであれば、その素材にもこだわってみませんか? 屋根材にはさまざまな種類があり、それぞれに異なる見た目や特徴を持っています。古くからある瓦、近年注目を集めているガルバリウム鋼板などの主要な屋根材から、あなたの暮らしに最適なものを見つけ出しましょう。

快適な住まいを守る屋根

春は仕事や学業などで新しいことが始まるシーズンです。この時期は引越しをされる方も多いでしょう。心機一転の春は「家」についていろいろと見直したり、考えたりするのによい季節なのかもしれません。今回は、快適な住まいを守るための「屋根」の素材と特徴について説明します。

住まいを考えるとき、間取りや内装などとは違い、「屋根」を意識することは少ないかもしれません。しかし、実は、屋根は住宅にとって非常に大切なもの。直接外にさらされている屋根は、雨風や雪、寒暖差、地域や季節によっては台風や大雪などから日々私たちの暮らしを守ってくれる大切な部分です。

もし、屋根にダメージがあると雨水が浸入し家の内部の柱や梁にまで影響をおよぼし、家全体の寿命を縮めることもあります。また、その材質によっては、地震や火災に対する防災性も異なってきます。
こうしたことから、屋根は住まいの耐久性の要といえるのです。

屋根の素材と寿命・メンテナンスの方法

住宅の耐久性を左右する屋根ですから、そのメンテナンスやリフォームも重要になります。実際に雨漏りがあってからでは、内部まで被害にあってしまい屋根だけの修理では済まなくなる可能性があるのです。そうしたトラブルが起きないよう定期的なメンテナンスが必要ですが、その時期は屋根材の種類によって異なります。

ここで、一般的な屋根材の種類とその特徴について少し知っておきましょう。

瓦屋根(和瓦・洋瓦)

和瓦は、粘土を使った陶器製で非常に重く、断熱性や遮音性に優れた屋根材です。
瓦自体の寿命は長く40~60年と言われていますが、下地となる木材の腐食などもあり、一般的な和瓦屋根の寿命は20~25年ほど。瓦以外の傷みや破損を定期的にチェック&修理することが主なメンテナンス方法となります。

洋瓦は、主に洋風建築の屋根に使われる瓦で、原料とメンテナンス方法は和瓦と同じもの。Sの字のような形の「S型」と、ほぼ平らな「F型」があり、どちらもデザイン性の高い外観を楽しめます。

セメント瓦(コンクリート瓦)

セメントと砂を主原料とする瓦で、「厚形スレート」とも呼ばれている屋根材です。
陶器製の瓦に比べると軽量で価格もややお手頃ですが、小さな衝撃で割れやすく、耐用年数も約15年と短め。またセメント自体の防水性が低いので、塗料が剥げて風雨にさらされると劣化が進み、雨漏りなどのトラブルを引き起こすことも。そのため、10年を迎える前にメンテナンスを行い、塗料の塗り替えやひび割れた瓦の交換などをする必要があります。

スレート

セメントに繊維材料を混ぜあわせた「化粧スレート」と、天然鉱石を使った「天然スレート」がありますが、天然スレートは高価で手に入りにくく、一般的に“スレート”といえば化粧スレートを指します。薄い平板状で非常に軽く、価格もお手頃。豊富なカラーバリエーションで幅広い世代に好まれており、数ある屋根材の中でも普及率はトップクラスです。

寿命は約20年~25年とかなり長持ちですが、表面の塗装が剥げると急激に劣化してしまうため、10年に1度は塗装によるメンテナンスを行いましょう。

ステンレス屋根

ステンレスは鉄にクロムやニッケルなどを加えた合金で、「ステン(錆)レス(ない)」の名の通り錆びにくく腐食に強い屋根材です。重さは陶器瓦の約1/10と非常に軽量。そのため建物の重心が低くなり、地震で倒壊するリスクを下げることができます。

他の屋根材に比べるとかなり高価な上、薄い金属であるために防音性や断熱性は劣りますが、耐久性はピカイチで、ほとんどメンテナンスをしなくても約50年はもつと言われているほど 。ただし錆びや劣化がまったく起こらないわけではなく、経年によって表面の塗料に劣化が生じてしまうため、10年~15年を目途に塗装をし直すと美しい外観を保つことができます。

金属屋根(ガルバリウム鋼板)

ガルバリウム鋼板とは、鉄板を基板とし、 アルミニウムと亜鉛の合金めっきを施した金属素材です。同じ金属であるステンレスほど高い耐食性はないものの、同等に軽量で、耐震性・耐火性に優れています。それでいて価格はステンレスの約6割とかなり控えめ。金属屋根の中でも特に高い人気を誇る屋根材です。ある程度傾斜のついた水はけの良い屋根であれば、寿命は約40年。15年に一度は塗装によるメンテナンスをすることが望ましいですが、最近では20年間メンテナンスフリーのものも登場しています。

長年にわたり家を守るものだから

こうしてみると、屋根材によって特性やコスト、メンテナンス方法が異なります。また、コストについては新築や葺き替えの時だけでなく、メンテナンスや修理の際も費用がかかります。例えば、比較的安価でそれなりに寿命もあるスレートやセメント瓦、塗装鋼板はそれぞれ一般的には10年程で塗替えが必要だといわれているため、その分の費用も考えなければなりません。
そのため、メンテナンスやリフォームの時期に、耐久性や防災性の高い屋根材への葺き替えを検討されてもいいかもしれません。住まいの要である屋根のリフォームは家全体を守るリフォームでもあります。

屋根のリフォームの際には耐久性や防災性そしてコストの面から納得いく屋根材を選んでリフォームすることで安心して暮らすことができます。例えばガルバリウム鋼板に代表される金属屋根であれば、耐震性も優れ、防災性やメンテナンスの容易さにも優れており、耐久性もトタンなどの初期の金属屋根と比べても飛躍的に向上しています。

ぜひこの機会に、わが家の屋根について見直してみませんか?

屋根材のおすすめ記事

  • 快適な住まいづくりのための壁材と天井材選び

    快適な住まいづくりのための壁材と天井材選び

    快適な室内空間づくりで大切なこと 室内の壁と天井は住まいの大きな面積を占める部分ですから、どのような質感や色に仕上げるかで内装のイメージは大きく変わります。また、使用する壁材や天井材の種類によっては室内環境にも影響します…

  • 瓦屋根にもいろいろあるってホント? 瓦の種類を知ろう

    瓦屋根にもいろいろあるってホント? 瓦の種類を知ろう

    瓦屋根の材料はいろいろある? 瓦屋根は、文字通り瓦で葺いた屋根のことです。日本各地どこの住宅地でもよく見かけ、古くから神社仏閣やお城の屋根にも使われてきました。このように、瓦は、私たち日本人にとってとてもなじみ深い屋根材…

  • 屋根の雨音がうるさい……屋根の雨音を軽減する方法とは?

    屋根の雨音がうるさい……屋根の雨音を軽減する方法とは?

    自宅の屋根の雨音がうるさくて気になる……というとき、何か雨音を軽減するための効果的な方法はあるのでしょうか?屋根材による雨音の違いとその理由、そして屋根を完全に葺き替えてしまう以外の、コストと手間を抑えた軽減のための対策…

  • 災害に強い屋根材を求めて?江戸・東京の屋根の移り変わり

    災害に強い屋根材を求めて?江戸・東京の屋根の移り変わり

    東大に江戸時代の瓦屋根 日本を代表する最高学府、東京大学。その本郷キャンパスのシンボルとなっているのが、通称「赤門」です。江戸時代後期に建てられたものですが、もともとは何の門だったのか、ご存知ですか? 赤門は、旧加賀藩の…

  • わが家の屋根材 スレートかガルバリウム鋼板で迷ったら

    わが家の屋根材 スレートかガルバリウム鋼板で迷ったら

    いま、人気の屋根材とは 家を建てたり、屋根を葺き替えたりすることになったら、どのような屋根材を選べばいいのでしょう? 一般的な住宅用として、広く普及している屋根材のスレート。また、近年、耐震性が高く丈夫なことから人気上昇…

  • 屋根の強風・台風対策って屋根材によって違うって、ホント?

    屋根の強風・台風対策って屋根材によって違うって、ホント?

    台風から家を守るには 近年、台風が大型化し北上することが多くなりました。そのため、これまであまり台風が来ないとされてきた地域にも被害が及ぶようになっています。日本中どこでも、台風の強風による被害を受ける可能性があるという…

  • 屋根材を外壁に!?歴史と現代に見る個性的な家のつくり方

    屋根材を外壁に!?歴史と現代に見る個性的な家のつくり方

    ユニークな異人館 異国情緒ただよう神戸市北野地区の異人館街には、歴史ある美しい洋館が立ち並びます。これらの洋館が異人館と呼ばれるのは、幕末や明治時代以降に欧米人の住居として建てられたためです。北野の異人館には、贅を尽くし…

  • 屋根の色やデザインは屋根材によって変わるって、ホント?

    屋根の色やデザインは屋根材によって変わるって、ホント?

    屋根のデザインと屋根材選び 住まいを守る上で屋根はとても重要なものであり、さらには住宅の外装の大部分を占めることから、外観イメージにも大きく影響します。したがって、家を建てるときに、どのような屋根にするかは大きな問題です…

  • オリンピックの屋根トリビア? 国立代々木競技場の屋根材と美しさのヒミツ

    オリンピックの屋根トリビア? 国立代々木競技場の屋根材と美しさのヒミツ

    再注目される国立代々木競技場 2020年の2度目の東京オリンピック開催に向け、新国立競技場や選手村の建設が急ピッチで進んでいます。一方で、前回開催時の施設を今回も利用することが決まっています。そうした施設の中でも、特に有…

  • 日本瓦と似ているようで違うセメント瓦とは、どんな屋根材?

    日本瓦と似ているようで違うセメント瓦とは、どんな屋根材?

    瓦にもいろいろある? 日本の住宅地でよく見かける瓦屋根。その屋根材といえば、当然ながら昔から伝わる日本瓦を思い浮かべる人は多いでしょう。とはいえ、日本瓦によく似た「セメント瓦」という屋根材について耳にしたことはありません…

その他のおすすめ記事

  • リフォーム

    自分らしい個性的な家にしたい。リノベーションのきっかけとは?

    自分らしい個性的な家にしたい。リノベーションのきっかけとは?

    個性的な家作りはライフスタイルへのこだわりから 持ち家のリノベーションのきっかけは、世帯によりさまざまです。とはいえ、どの世帯でも、年月によって家族構成やライフスタイルが変わります。 自宅のリフォームが必要になったら、そ…

  • リフォーム

    断熱性にすぐれたガルバリウム鋼板の外壁サイディングって、どんなもの?

    断熱性にすぐれたガルバリウム鋼板の外壁サイディングって、どんなもの?

    外壁のリフォームが必要になったら 外壁は屋根とともに雨風から住まいを守ってくれる大切な部分です。そのため、外壁にはいろんな性能が求められますが、なかでも、快適に暮らすために重要になるのが断熱性です。断熱性が高ければ、冷暖…

  • 屋根材

    日本瓦と似ているようで違うセメント瓦とは、どんな屋根材?

    日本瓦と似ているようで違うセメント瓦とは、どんな屋根材?

    瓦にもいろいろある? 日本の住宅地でよく見かける瓦屋根。その屋根材といえば、当然ながら昔から伝わる日本瓦を思い浮かべる人は多いでしょう。とはいえ、日本瓦によく似た「セメント瓦」という屋根材について耳にしたことはありません…

  • 屋根

    軒の出幅や屋根勾配ってなに? 新築の屋根工事で大切なこと

    軒の出幅や屋根勾配ってなに? 新築の屋根工事で大切なこと

    屋根は家づくりの重要ポイント 屋根は、住まいを直射日光や雨風から守ってくれる大切な部分です。屋根をどう作るかで、住宅の性能や外観のイメージにも大きく関係します。このように家づくりにおいて屋根は重要なポイントといえますが、…

  • ライフスタイル

    ガルバリウム鋼板で作る高機能でスタイリッシュな家

    ガルバリウム鋼板で作る高機能でスタイリッシュな家

    ガルバリウム鋼板の次世代建材 家を建てることになったら、安全で快適な住まいにするために気にしたいことがたくさんあります。耐震性など災害に強いことはもちろん、断熱性や湿気対策も大切です。そして、内外装ともデザインにこだわり…

  • ライフスタイル

    あこがれの海辺の住まい作りを成功させるには

    あこがれの海辺の住まい作りを成功させるには

    海辺の家であこがれのライフスタイル 南の島の茅葺き屋根のリゾートホテルで海を見ながら過ごすひととき…自宅でそんな気分を味わえたら、と思ったことはありませんか?海の見える家にあこがれている方は少なくないかもしれません。 そ…

  • 屋根材

    世間で評判の屋根材であるガルバリウム鋼板の凄さ

    世間で評判の屋根材であるガルバリウム鋼板の凄さ

    世間で評判の優れた屋根材とは この4月から電力の全面自由化がスタートします。自由化によって事業者間で競争になれば、電気料金は安くなると思いがちですが、そうとは限りません。発電用の燃料費の変動が電気料金に大きく影響するよう…

  • ライフスタイル

    家を建てるときに知っておきたい! 住宅の屋根勾配の考え方

    家を建てるときに知っておきたい! 住宅の屋根勾配の考え方

    家を建てようとするとき、ぜひしっかりと考えてほしいのが屋根の勾配をどうするかという問題です。屋根づくりにおいては素材選びとともに、勾配の度合い、屋根の形が重要な意味を持ってきます。 勾配の違いによるメリットとデメリットな…

  • メンテナンス

    こまめに塗装しよう! スレート屋根のメンテナンス方法とタイミング

    こまめに塗装しよう! スレート屋根のメンテナンス方法とタイミング

    かつての主流だった和風住宅から、洋風住宅へ。日本の建築様式の移り変わりと共に高い需要が続いている 屋根材が「スレート屋根」です。薄くて軽い板状の素材「スレート」を使用したスレート屋根の寿命は約20年~25年と言われていま…

  • 屋根材

    屋根材を外壁に!?歴史と現代に見る個性的な家のつくり方

    屋根材を外壁に!?歴史と現代に見る個性的な家のつくり方

    ユニークな異人館 異国情緒ただよう神戸市北野地区の異人館街には、歴史ある美しい洋館が立ち並びます。これらの洋館が異人館と呼ばれるのは、幕末や明治時代以降に欧米人の住居として建てられたためです。北野の異人館には、贅を尽くし…

すべて ライフスタイル 屋根 リフォーム 屋根材 メンテナンス 耐震

▲ページトップ