しっかり行おう! 木造住宅に行うべき地震対策

今、あなたが住んでいる木造住宅は大きな地震が来たとしても倒壊や大破することなく、十分に耐えられる構造や性能を備えているでしょうか?

もしも地震対策や耐震性について不安があるのなら、すぐにでも手を打っておくべきです。地震に強い家にするには何をすべきなのか、木造住宅に必要な地震対策と耐震補強についてご紹介します。

自分の自宅は大丈夫? 自宅の耐震性の確認方法

まず気になるのは、今、住んでいる自宅の耐震性です。それがどの程度のものなのか、どうやって確認すれば良いのでしょうか。

自宅の耐震性の確認方法には、自分で行えるものと、業者に依頼して確認してもらうものの2種類があります。

自分で確認するには、建物が建設された年代、建物の構造、屋根材と壁材の種類、基礎、現在の傷み具合、補修・改修点などについて調べてみる必要があります。
調べた結果は、日本建築防災協会編集・国土交通省住宅局監修による「誰でもできるわが家の耐震診断 」を使ってチェックしてみるのがおすすめです。この診断を行えば自宅の耐震性についての概要をつかむことができるでしょう。

結果、気になる点があれば、業者に依頼してより詳しい診断を受けることも検討しましょう。多くの住宅会社やリフォーム会社では「無料耐震診断」を行っています。ただし、なかには診断依頼をきっかけに強引な営業をかけてくる業者もあるので、依頼先は慎重に選ぶことが必要です。

木造住宅に行うべき自宅の耐震補強とは

木造住宅の耐震補強工事のポイントについても知っておきましょう。とくに基礎部分、柱と梁などの接合部、壁の3つの箇所を補強または変更することが効果的です。

基礎部分の補強

大きな地震が起きたとき、住宅の倒壊や大破を防ぐために欠かせないのが建物の基礎の補強です。

既存基礎が脆弱な場合は新たに基礎を増設します。通常は既存基礎の内側か外側に鉄筋コンクリートを増し打ちすることになるでしょう。また、ひび割れが見つかればエポキシ樹脂を注入するなどして補修をします。 

金物の接合部の補強

柱と梁、土台など、接合部に金物を設置して接合します。しっかりと接合部を緊結することで、大きな揺れが起きたときに柱・壁・梁などが互いに支え合い、一体となって耐えられるようになります。

使用する金物には筋交い金物やホールダウン金物などがあります。2つ以上の部材を組み合わせて接合する方法または接合箇所のことは仕口と呼ばれ、この仕口の仕様に合わせて金物を正しく取り付けます。仕口が補強されれば、確実に木造住宅の強度が増します。

壁を耐力壁に変更

筋交いなどが入っていない壁は地震に弱く、強い揺れによって壊れて建物の倒壊を招く危険性があります。

軸組工法の「筋交い」、2×4工法の「構造用合板」などは耐力壁と呼ばれ、これらを既存の壁と交換することで耐震性を強化できます。今ある壁だけでなく、間取りを変更して新たな壁を増設することで耐震補強する方法も効果的です。
また、天井や床を解体することなく、壁紙の張り替えなどの際に壁補強ができるボードなどもあります。

地震対策は耐震補強だけじゃない? その他に確認すべきこと

日本で安心、安全な住まいづくりを考えるとき、非常に重要になるのが地震対策です。現在では、何らかの対策を施しているお宅は少なくないと思います。
とはいえ、「わが家は地震に強いツーバイフォーだから」、「うちは耐震補強を済ませているから」といっても、地震が来た場合に大丈夫とはいい切れません。特に木造住宅の場合は、耐震補強をしていても、適切にメンテナンスや補修がされていなければ、耐震性が低下することがあるからです。

日本の木造戸建住宅の建て方は、主に在来工法かツーバイフォーになりますが、その違いに関わらず、雨漏りや結露、シロアリが発生すると、構造や土台の腐食、蟻害(シロアリによる食害)につながることがあります。そうなると、建物は老朽化し耐震性も損なわれ、地震のときに倒壊・損傷が起きやすくなります。

したがって、木造住宅の耐震性を維持していくには、耐震補強のほかにも屋根からの雨漏りや結露、シロアリ被害を防ぐことが欠かせません。そこで、そのために必要なメンテナンスと点検ポイントについて知っておきましょう。

基本になる屋根と外壁の定期メンテナンス

雨漏りや結露が進むと、柱やはりなどの構造や土台の腐食につながりますし、家の中にシロアリの好む湿度の高い環境をつくり出してしまいます。そのため、雨漏りと結露を防ぐために建物の防水性を維持することが何よりも大切になります。

まず雨漏りを防ぐための基本になるのが、外装(屋根と外壁)の定期メンテナンスです。

製品や塗料のグレードにより外装メンテナンスの時期は異なりますが、住宅向けの一般的な屋根材や外壁材は、おおよそ10年に1度が塗装の塗り替え時期目安です。
こうしたメンテナンスの時期には、屋根材のズレや破損、外壁のひび割れなどがないかも一緒に点検し、必要に応じて補修をしておきましょう。

また、シーリングの打ち換えが必要になるのもこの時期です。サイディングの継ぎ目やサッシまわりのシーリングに注意し、ひび割れていたり剥がれていたりしたら業者に相談しましょう。

雨漏りのチェックポイントと予防するためにすべきこと

まずチェックすべきなのは、天井や壁のシミです。結露が原因のこともありますが、雨の日にシミが増えているようなら、雨漏りが起きている可能性が高いでしょう。

また、天井や壁のクロスが浮いている場合も要注意です。浮いているクロスのあたりを触ってみると湿っているならやはり雨漏りが疑われます。
押入れやクローゼットの中もよく見て、シミがないか、カビが発生していないかなどを確認してみましょう。

雨漏りの原因として最も多いのは経年劣化等による屋根の不具合です。雨漏り予防をするには素材のヒビや崩れ、隙間、浮きなどがないかを見つけ、早めに補修をするしかありません。
天井や壁のシミが見つかったら業者を呼んで、屋根のチェックだけでもやってもらうのが最も確実な対処法になります。

結露の原因とチェックポイント

雨漏りが原因になることもありますが、断熱や換気が十分でない場合も結露が発生します。結露があるとカビも発生しやすく、健康にもよくありません。結露が発生しやすい場所は、屋根裏や天井、北側の壁、収納や押し入れの中などです。
こうした場所が濡れていたり、シミやカビがある場合は、外装に詳しい業者に点検を依頼し、対処法を相談しましょう。

シロアリ対策は予防と早期発見が肝心

シロアリの被害から住まいを守るためには、発生させないための予防が何よりも大切です。もし、シロアリが発生してしまった場合は、できるだけ被害を抑えるために早期発見が欠かせません。つまり、シロアリ対策は早ければ早いほど良いのです。
次のポイントを参考に、わが家のチェックをしてみましょう。

・ 家の中やその周辺で羽アリを見かける
・ 新築から5年以上経つが、シロアリ予防をしたことがない
・ 柱や床下のすき間、木材の継ぎ目に土がたまっている
・ 軒や柱が下がった、建具の立て付けが悪くなった
・ 床を歩くときしむ、ゆるく感じる
・ 押し入れや収納の中がじめじめするようになった

このうち、1つでもあてはまる場合はシロアリが発生している恐れがあるので、専門業者への早めの相談をおすすめします。

住まいの耐震性を維持していくには、以上のような点検とメンテナンスがカギになりますが、いずれも専門的な知識と技術が必要になるので、必ず専門の業者に依頼するようにしてください。

耐震のおすすめ記事

  • わが家は大丈夫?屋根材と耐震性の関係を考える

    わが家は大丈夫?屋根材と耐震性の関係を考える

    地震のとき、重い屋根は不安?それとも大丈夫? この数年間、日本列島では大きな地震が相次いでいます。わが家の耐震性はどうなのか気になっている戸建住宅のオーナーも多いのではないでしょうか。 木造住宅については、屋根が重いと地…

  • 「耐震性」アップの取り組みにプラスしてできる「減災」の工夫

    「耐震性」アップの取り組みにプラスしてできる「減災」の工夫

    わが家の耐震性を再確認 1981年に新耐震基準が施行されましたが、それ以前に建てられた木造住宅と以降のものでは、耐震性に大きな違いがあります。全国の多くの自治体では、新耐震基準以前に建てられた木造住宅などを対象に耐震診断…

  • 在来工法の家づくりって、どんなもの?

    在来工法の家づくりって、どんなもの?

    日本で最も多い家づくりの工法 住宅を建てるにはいろんな構法がありますが、日本で最も多く用いられているのが木造軸組構法です。在来工法とも呼ばれ、木材が豊かなこの国に古くから伝わってきた家づくりの方法です。木の柱や梁(はり)…

  • 耐震性にも優れる美しいデザインの家

    耐震性にも優れる美しいデザインの家

    家の耐震性は外観デザインと関係する? 地震をはじめとする自然災害の多い国、日本での住まい作りでは、耐震性や耐久性がとても大切になります。とはいえ、住宅に求められるのは性能だけではありません。せっかくのマイホームですから、…

  • 2×4住宅の耐震性のヒミツとは

    2×4住宅の耐震性のヒミツとは

    日本では比較的新しい工法、2×4 現代の日本で木造住宅を建てる場合、主に木造軸組構法と枠組壁工法の2通りの工法があります。 木造軸組構法は古来より日本に伝わる建築工法であることから、在来工法とも呼ばれます。これに対し、通…

  • 古い家の耐震性を上げる屋根のリフォームとは?

    古い家の耐震性を上げる屋根のリフォームとは?

    瓦屋根が地震に弱いって、ホント? 日本は非常に地震の多い国であることから、世界的に見ても建築における耐震技術のレベルは高く、住宅の耐震化も進んでいます。しかしながら、これまで特にメンテナンスをせず、今のお宅に長くお住まい…

  • 「地震に強い家」とはどんな家? 地震に強い家と弱い家の違い

    「地震に強い家」とはどんな家? 地震に強い家と弱い家の違い

    揺れを感じない小さな地震も含めると、日本では相当な回数の地震が起こっています。そんな日本で暮らしている以上、自宅が地震に弱い家か、それとも地震に強い家なのかは気になるところですね。そこで、ここでは地震に弱い家、強い家それ…

  • ツーバイフォーの家づくりって、どんなもの?

    ツーバイフォーの家づくりって、どんなもの?

    ツーバイフォーって、なに? 住宅を建てるにはいろいろな工法があります。日本で木造住宅を建てる場合、在来工法に次いで多く用いられているのが、ツーバイフォー工法です。通称「ツーバイフォー」や「2 x 4」とも呼ばれることが多…

  • 在来工法とツーバイフォー、工法に合ったリフォームを

    在来工法とツーバイフォー、工法に合ったリフォームを

      工法によって、リフォームの仕方が変わる? 近年、年数を経た家を建て替えるのではなくリフォームをして暮らしやすさや価値を向上させるケースが多くなっています。また、地震や台風などの災害対策としてのリフォームを考…

  • 大震災に耐えた国宝のお寺 現代の在来工法にも通じる耐震対策とは

    大震災に耐えた国宝のお寺 現代の在来工法にも通じる耐震対策とは

      江戸時代以前の耐震対策とは 日本が世界でも有数の地震大国であるのは誰しもが認めるところです。そのため、日本の住宅耐震技術は非常にすぐれたものとなっています。特に1923(大正12)年の関東大震災以降、耐震研…

その他のおすすめ記事

  • 耐震

    在来工法の家づくりって、どんなもの?

    在来工法の家づくりって、どんなもの?

    日本で最も多い家づくりの工法 住宅を建てるにはいろんな構法がありますが、日本で最も多く用いられているのが木造軸組構法です。在来工法とも呼ばれ、木材が豊かなこの国に古くから伝わってきた家づくりの方法です。木の柱や梁(はり)…

  • リフォーム

    戸建住宅の浴室リフォームはユニットバスと在来工法、どちらがいいの?

    戸建住宅の浴室リフォームはユニットバスと在来工法、どちらがいいの?

    浴室の施工法の違いとは? 自宅の浴室をリフォームすることになったら、快適でくつろげる場所にしたいものですね。ところで、浴室づくりといえば、ユニットバスが主流ですが、在来工法という選択肢もあるのをご存知ですか? 既成のパー…

  • メンテナンス

    在来工法やツーバイフォーだけじゃない? 住宅工法にはどんなものがある?

    在来工法やツーバイフォーだけじゃない? 住宅工法にはどんなものがある?

    住宅工法の種類を知ろう 家を建てることになったら、いろいろと知っておきたいことがあります。その中でも基本となるのが住宅の工法です。工法とは建物の骨組み(躯体)をつくる方法のこと。在来工法とツーバイフォーがよく知られていま…

  • 耐震

    大震災に耐えた国宝のお寺 現代の在来工法にも通じる耐震対策とは

    大震災に耐えた国宝のお寺 現代の在来工法にも通じる耐震対策とは

      江戸時代以前の耐震対策とは 日本が世界でも有数の地震大国であるのは誰しもが認めるところです。そのため、日本の住宅耐震技術は非常にすぐれたものとなっています。特に1923(大正12)年の関東大震災以降、耐震研…

  • ライフスタイル

    在来工法でライフスタイルの変化を見すえた家づくり

    在来工法でライフスタイルの変化を見すえた家づくり

    ライフスタイルは変わるものだから 家は長年にわたって暮らすもの。家を建てることになったら、いつまでも家族みんなが快適で暮らしやすい住まいにしたいものです。とはいえ、年月が経つうち、住む人のライフスタイルは変わっていきます…

  • リフォーム

    在来工法じゃなくてもできる? こだわりの浴室づくり

    在来工法じゃなくてもできる? こだわりの浴室づくり

    こだわりの浴室づくりなら、在来工法? 住まいの中でも浴室は、日々の疲れをいやし明日に向けてリフレッシュするための大切な場所。家を建てたり、リフォームしたりするなら「ホテルや旅館のようなお風呂にしたい!」と思う人も少なくな…

  • リフォーム

    地方移住も選択肢?リフォーム、リノベ向き物件探しのポイント

    地方移住も選択肢?リフォーム、リノベ向き物件探しのポイント

    中古物件で思い通りの家づくり? ここ数年間、戸建住宅の建設費用ならびに新築住宅の価格も高止まりの傾向が続き、新築着工件数も低水準で推移しています。ただ、細部までこだわって思い通りの家を新築したい、ピカピカの新築住宅に住み…

すべて ライフスタイル 屋根 リフォーム 屋根材 メンテナンス 耐震

▲ページトップ