瓦屋根にもいろいろあるってホント? 瓦の種類を知ろう

瓦屋根の材料はいろいろある?

瓦屋根は、文字通り瓦で葺いた屋根のことです。日本各地どこの住宅地でもよく見かけ、古くから神社仏閣やお城の屋根にも使われてきました。このように、瓦は、私たち日本人にとってとてもなじみ深い屋根材ですが、一口に屋根瓦と言ってもいろいろな種類があり、その種類ごとに特長や耐用年数などが異なります。
そこで、住宅の屋根に用いられる瓦の種類とその特長についてご紹介します。

瓦の種類を知ろう

瓦と言えば、狭い意味では粘土を焼いて作った粘土瓦を指しますが、広い意味では、それ以外の材料や製法で作った屋根材にも瓦と呼ばれるものがあります。一般的に「瓦」と呼ばれる屋根材について、分類すると次のようになります。

・日本瓦
日本に古くから伝わる、粘土を成型し高温で焼き上げて作る粘土瓦のことで、伝統的な和風の瓦屋根には定番の材料です。釉薬(ゆうやく)をかけて仕上げる「釉薬(陶器)瓦」、釉薬をかけずにいぶして光沢をつけた「いぶし瓦」などがあります。釉薬瓦は色数が豊富ですが、いぶし瓦は銀色系統になります。粘土瓦の形状にはJ型・S型・F型がありますが、S型とF型は洋風タイプになります。主に日本瓦と言えばJ型で、和瓦とも呼ばれます。
粘土瓦は耐久性が非常に高く、耐用年数は40~60年と言われていますが、それまでに下地が傷むので、30年程度で葺き替えの検討が必要になります。また、屋根材としては最も重くなりますが、近年、台風・地震に強い「防災瓦」も開発されました。これは瓦同士がかみ合う構造で、さらに釘などで下地に固定します。

・セメント瓦
見た目は粘土瓦に似ていますが、原材料や製造法は全く異なります。主原料のセメントや砂を加圧成型し乾燥させた後、塗装して仕上げたものをセメント瓦と言います。塗装製品なので、カラーバリエーションは豊富ですが、およそ10年おきに塗り替えメンテナンスの必要があります。粘土瓦よりもやや軽いのですが、割れやすく、20年程度で葺き替え時期となります。

・金属瓦
金属には、薄く伸ばせていろいろな形に成形しやすいという特長があります。この特長を活かして、銅やガルバリウム鋼板などで作った瓦が金属瓦です。銅は、古くから神社仏閣や城郭の屋根に用いられてきましたが、高価なため、現代の一般住宅の屋根にはガルバリウム鋼板がよく使われています。
ガルバリウム鋼板は、サビに強く、高い耐久性を持たせた屋根材で、塗装して仕上げます。そのため、カラーバリエーションも多く、和瓦や洋風の瓦の形状にも加工ができ、表面をマットに仕上げて粘土瓦の風合いに近づけた製品なども登場しています。また、非常に軽量なことから耐震性にも優れています。耐用年数は40年程度で、10年おきの塗り替えが推奨されていますが、20年間メンテナンスフリーのタイプもあります。

・洋瓦
もともとは欧米の住宅の瓦屋根に使われてきたもので、洋風住宅にマッチする瓦で、洋風瓦とも呼ばれています。原材料別に分類ができ、粘土瓦・セメント瓦・金属瓦のタイプがあり、特長やメンテナンス時期、耐用年数はそれぞれの瓦タイプと同様になっています。
洋瓦の形状は、主に、スパニッシュ瓦に由来するS型とフラットなF型の2種類になります。原材料タイプによって、カラーバリエーションは少しずつ異なりますが、欧米スタイルの瓦屋根づくりでは、テラコッタ調の色系統がよく選ばれています。

家を建てるときに「瓦屋根にしたい」と思っても、どのタイプの瓦を選ぶかによって、その後の寿命やメンテナンスの必要性などが違ってきます。以上の内容が既存の瓦屋根のメンテナンスや新築の際の屋根材選びの参考になれば、幸いです。

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